サウスオーストラリア(英語表記)South Australia

改訂新版 世界大百科事典 「サウスオーストラリア」の意味・わかりやすい解説

サウス・オーストラリア[州]
South Australia

オーストラリア中南部の州。面積98万4000km2,人口151万(2006)。州都アデレード。州の大半が乾燥地域で,年降水量500mm未満の土地が98%を占める。人口のほとんどが南東部に集中し,州都だけで7割を占める。農牧業では小麦羊毛のほかにブドウ栽培(バロッサ地方)が知られ,州のブドウ酒生産量は全国の6割余りを占める。鉱業では天然ガスが重要で,州の北東部からパイプラインでポート・ピリーシドニーに送られる。オパールセッコウ鉄鉱石でも知られている。工業生産額の約8割がアデレードに集中する。アデレードの自動車,ワイアラの鉄鋼,ポート・ピリーの鉛精錬が重要である。1836年,サウス・オーストラリア植民会社によりカンガルー島およびアデレードへの入植が始まり,56年に自治植民地となった。オーストラリアで流刑植民地としての歴史をもたない唯一の州である。1901年,連邦結成により州となった。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報