セッコウ

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化学辞典 第2版の解説

硫酸カルシウムの無水および含水塩,とくに二水和物CaSO4・2H2Oを意味する場合が多い.天然セッコウと化学セッコウといわれる合成あるいは副生セッコウがある.天然セッコウには,無色透明の板状結晶の透セッコウと純白微細な結晶の雪花セッコウ,絹糸光沢の繊維セッコウ,そのほか葉片状,粒状,土状のものがある.外国の大鉱床はほとんど水成鉱床であるが,わが国では石灰石と硫酸分とを含む熱水の作用でできる熱水性鉱床である.化学セッコウには,リン酸セッコウ,チタンセッコウ,フッ酸セッコウ,あるいは重油の脱硫によって得られるもの,排煙脱硫によって副生するものなどがある.セッコウのもっとも大きい用途はセメント添加用であり,ついで加熱脱水して半水セッコウCaSO4・(1/2)H2Oとし,セッコウボードに用いられるものである.そのほか,ブラスター,陶磁器鋳込型,歯科用,医療用一般ギブス,工芸などに使われる.二水和物は単斜晶系に属し,モース硬度2,密度2.317 g cm-3,屈折率α = 1.5207,β = 1.5230,γ = 1.5299で,乾燥加熱すると60~150 ℃ でβ形1/2水和物に,105~240 ℃ でⅢ形無水和物に,230~350 ℃ でⅡ形無水和物に,1150~1200 ℃ でⅠ形無水和物になり,水の共存において加熱すると,α形1/2水和物,Ⅲ形β無水和物,Ⅱ形無水和物と転化する.1/2水和物は水和硬化性があり,焼きセッコウとして用いられる.普通,焼きセッコウは大部分β形からなり,混水量は70~80% 程度でセッコウボード,塗装用ブラスター,陶磁器型材などに使われる.α形半水セッコウはオートクレーブ中で生成され,結晶がよく発達しており,β形と見掛けの性質の違いが大きく,標準混水量,凝結時間,凝結線膨張係率,強度などがかなり異なる.α形半水セッコウは混水量約30~40% で使用され,歯科用精密賦形型用,鋳造用鋳型接合材などに使用される.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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