日本大百科全書(ニッポニカ) 「シャルル(4世)」の意味・わかりやすい解説
シャルル(4世)
しゃるる
Charles Ⅳ
(1294―1328)
カペー朝最後のフランス王(在位1322~28)。美王le Belといわれる。フィリップ4世の第3子で、兄フィリップ5世の後継者。財政と司法の再建に尽力。その治世はイギリスのプランタジネット家との緊張関係の強化によって特色づけられる。彼には世継ぎの男子がなく、その死とともに直系カペー朝は断絶する。新国王にはバロア朝のフィリップ6世(フィリップ4世の甥(おい))が選ばれるが、イギリス国王エドワード3世(フィリップ4世の娘イザベルとエドワード2世との子)は、これに異議を申し立てた。男系親による王位継承の原則は貫かれたものの、この事件は百年戦争を誘発する結果となった。
[井上泰男]