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フロアサール Froissart, Jean

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

フロアサール
Froissart, Jean

[生]1337頃.バランシエンヌ
[没]1404頃.シメー?
フランスの年代記作者,詩人。幼少時は不明な点も多いが,聖職者になるための教育を受けたらしい。 1360年頃から創作活動に入り,イギリスフランス,イタリアなどの王侯貴族の宮廷を歴訪。旺盛な知識欲と並みはずれた好奇心で観察した 1325~1400年のフランス,イギリスなどの封建貴族社会や百年戦争の状況などを簡潔に記した散文の『年代記』 Chroniques (4巻) のほか,多くの詩作品を残した。

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百科事典マイペディアの解説

フロアサール

フランスの年代記作者,詩人。聖職につき,渡英して英国王エドワード3世の妃フィリップ・ド・エノーの庇護を受けた。西欧各地を旅行しながら〈カレーの市民〉などの佳話を含む《年代記》を書いた。

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世界大百科事典 第2版の解説

フロアサール【Jean Froissart】

1337ころ‐1410ころ
フランスの年代記作家,詩人。ローマ帝国に帰属するエノー伯領内の町バランシエンヌの市民階級の出身。1361年イングランドに渡り,同郷人の王妃フィリップ・ド・エノーの庇護を受け,秘書として,ときに恋愛詩をつづって王妃にささげる。王妃の援助でスコットランドを旅行し,情報収集を行ったり,黒太子エドワードのフランス進軍に随伴して戦闘を目撃したり,クラレンス公の婚儀のためのイタリア行きに加わる(チョーサーも同行し,ミラノではペトラルカに会ったかも知れない)などして,百年戦争下のイギリス,フランスをめぐる角逐を描く《年代記Chroniques》執筆の素地をかためていく。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

フロアサール
ふろあさーる
Jean de Froissart
(1337ころ―1405ころ)

フランスの年代記作家、詩人。聖職者でもあったが騎士道的典雅を好み、フランス各地をはじめイングランド(1361)、スコットランド、イタリア、オランダ、スペインを遍歴、各地で王侯や有名人に会い、宮廷に出入りして見聞を広め、同時代史執筆の準備をした。その『年代記(クロニク)』Chroniques四巻は、1325年から1400年(英王リチャード2世の死)までを扱い、百年戦争中の記録として重要である。[安斎和雄]

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世界大百科事典内のフロアサールの言及

【年代記】より

…14~15世紀のフィレンツェの繁栄と騒乱とを描いた,2人の年代記作者,ビラーニ(14世紀)とL.ブルーニ(15世紀)とは,従来の都市年代記のやや形式的な叙述とは違い,個性的な記述をもって知られている。また14世紀後半の百年戦争の時代に,フランス,イングランド両社会を見聞して書いたフロアサールの膨大な年代記は,封建社会の爛熟と混迷を描いて,文学作品としても高く評価されている。 13~14世紀を頂点として,中世においては多数の年代記が作成され,それらは良質な歴史史料を提供している。…

※「フロアサール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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