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西園寺実兼 さいおんじ さねかね

美術人名辞典の解説

西園寺実兼

鎌倉中・後期の公卿。太政大臣公相の長子。太政大臣となり、のち出家し、空性と号する。元亨2年(1322)歿、74才。

出典 (株)思文閣美術人名辞典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

西園寺実兼 さいおんじ-さねかね

1249-1322 鎌倉時代の公卿(くぎょう)。
建長元年生まれ。西園寺公相(きんすけ)の子。母は中原師朝の娘。文応2年従三位,文永6年関東申次(もうしつぎ)となり,持明院統と大覚寺統との間の皇位継承問題に関与。正応(しょうおう)2年内大臣,4年太政大臣となり,5年辞任。正和(しょうわ)4年子の公衡(きんひら)の死により関東申次に再任,鎌倉幕府の両統迭立(てつりつ)の提議(文保(ぶんぽう)の和談)にかかわった。従一位。京極派の歌人,琵琶(びわ)の名手としても知られる。元亨(げんこう)2年9月10日死去。74歳。後西園寺入道相国と称された。

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朝日日本歴史人物事典の解説

西園寺実兼

没年:元亨2.9.10(1322.10.21)
生年:建長1(1249)
鎌倉時代後期の公家。関東申次の役職を介して朝幕間の枢機に関与し,西園寺家の全盛を築く。父は西園寺公相,母は大外記中原師朝の娘。伏見天皇の中宮・永福門院,亀山天皇の後宮・昭訓門院の父。弘長1(1261)年1月従三位に叙され,文永3(1266)年10月権中納言に昇進。関東申次として朝幕間の連絡・交渉に当たっていた祖父実氏は文永6年6月に没したが,父公相はすでに亡く,実兼がこの職を受け継いだ。実兼の最初の関東申次在任は,これより嘉元2(1304)年夏に嫡子公衡と交代するまでの35年間。後嵯峨上皇の没後,後深草上皇流の持明院統と亀山上皇流の大覚寺統による皇位争奪戦が始まると,皇位問題をはじめ公家社会の重要事項について鎌倉幕府と交渉に当たる関東申次の役割と地位は高まった。蒙古襲来の際も朝幕間の交渉に当たっている。この間官位は累進し,正応4(1291)年12月太政大臣に達したが翌年辞官。正安1(1299)年6月出家。法名空性。2度目の関東申次は公衡が没した正和4(1315)年9月から元亨2(1322)年9月までの7年間。この間注目されるのは,文保1~2(1317~18)年のいわゆる文保の和談である。後宇多上皇は実兼をだきこみ,幕府を動かして,後醍醐天皇の践祚,嫡孫邦良親王の立太子を実現させた。持明院統の花園上皇は実兼を「朝の元老,国の良弼」「数代の重臣」と評している。歌人でもあり勅撰集入集200首余。なお,後深草院二条の『とはずがたり』に登場する愛人の「雪の曙」は実兼のことと考えられている。<参考文献>森茂暁『鎌倉時代の朝幕関係』

(森茂暁)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

世界大百科事典 第2版の解説

さいおんじさねかね【西園寺実兼】

1249‐1322(建長1‐元亨2)
鎌倉後期の公卿。西園寺公経の曾孫。1269年(文永6)祖父実氏死去の後を受けて関東申次(もうしつぎ)となって朝幕間に重きをなし,皇位継承をめぐる大覚寺統と持明院統との対立にも深く関与した。従一位,太政大臣に栄進し,後西園寺入道相国と号した。実兼はまた京極派の歌人としても知られ,《玉葉和歌集》にも多くの作品がとられている。【山本 博也】

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

西園寺実兼
さいおんじさねかね
(1249―1322)

鎌倉後期の公卿(くぎょう)。父は太政大臣(だいじょうだいじん)公相(きんすけ)、母は大外記(だいげき)中原師朝(もろとも)の女(むすめ)。1269年(文永6)に関東申次(もうしつぎ)となり、娘を伏見天皇中宮(ちゅうぐう)(永福門院)とするなど、持明院統を支えた。しかし京極為兼(きょうごくためかね)との対立から大覚寺統に接近、後二条天皇の即位を実現させ、娘を亀山院の後宮(こうきゅう)に入れた(昭訓門院)。その後、後醍醐(ごだいご)天皇の即位に尽力し、娘を中宮(後京極院)とした。1322年(元亨2)幕府の了承を得て孫の実衡(さねひら)に関東申次を譲った。京極派の歌人、琵琶(びわ)の名手としても知られる。[市沢 哲]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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