山川 世界史小辞典 改訂新版 「シュリーヴィジャヤ」の解説
シュリーヴィジャヤ
Śrīvijaya
マラッカ海峡地域の古代王国。パレンバンなどスマトラ南部またマレー半島の7~8世紀の碑文から知られ,唐代の漢籍に室利仏逝と音訳される。東西海上交易が活性化しマラッカ海峡がそのメインルートになった7世紀後半に台頭し,8世紀後半以降はシャイレーンドラ朝の支配下にあった。パレンバンとクダーの二つの王都により,マラッカ海峡の海上交易を支配する広域帝国をなした。唐の僧義浄(ぎじょう)によればナーランダーと並ぶ仏教教学の中心だが,国内統治には水の精などの呪力信仰が重要であった。10世紀以後資料はきわめて断片的で,漢籍に三仏斉,アラブ資料でザーバジュと呼ばれるマラッカ海峡諸国の一国となり,11世紀チョーラ朝の刻文を最後にほとんど知られなくなる。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報