シュロップシャーの若者(読み)シュロップシャーのわかもの(英語表記)A Shrop-shire Lad

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シュロップシャーの若者」の意味・わかりやすい解説

シュロップシャーの若者
シュロップシャーのわかもの
A Shrop-shire Lad

イギリスの詩人古典学者 A.ハウスマン詩集。 1896年刊。長短 63編の抒情詩より成り,87年頃シュロップシャーの片いなかに住む一青年の,おりにふれての感懐を歌うという体裁をとっている。厭世の思いや死に対する憧れ,青春の美しさとはかなさ,恋人の心の変りやすさ,天地万象の人間に対する非情性などが繰返し歌われている。これらの主題を貫く中心の思想は,人生に対する深い幻滅感からくる宿命論敗北主義,そしてそれに耐えそれを克服しようとするストア的な諦念,さらにまた現在を楽しむ享楽主義である。英語固有の短音節の語を多用した古典的で簡勁韻律によって多くの読者を魅了し,世紀末のイギリス詩壇に新風を吹込んだ。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android