シン・マハー・ティーラウンタ(読み)しんまはーてぃーらうんた(英語表記)Shin Maha Thilawuntha

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

シン・マハー・ティーラウンタ
しんまはーてぃーらうんた
Shin Maha Thilawuntha
(1453―1518)

ビルマ(現ミャンマー)、インワ朝時代の僧籍文人。中部ビルマ、イラワディ川東岸の町タウンドウィンジー出身。幼少年期にはマウン・ニョウMaung Nyoの名で知られる。郷里高僧のもとで古典文学を学ぶが、文人の少ないタウンドウィンジーに飽き足らず、王都インワに出て、パーリ仏教文学などを学び、古典に精通する。仏教説話の抜粋をもとに書いた『パーラミィドーガン・ピヨゥ』Paramidawgan Pyo韻文の一形式ピヨゥの代表作として知られる。また、『パーラヤナ・ウットゥ』Parayana Wuthtuパーリ語からの翻訳物語で、同時に、ビルマで初めて書かれた散文としても名高い。

[奥平龍二]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

シン・マハー・ティーラウンタ
Shin Maha Thilawuntha

[生]1453. マグエ,タウンドゥインジー北郊
[没]1518. マンダレー,インワ
ビルマ (現ミャンマー) ,インワ時代の文人,僧侶。幼名マウン・ニョウ。幼少の頃から郷里の僧院で古典を学び,のち王都インワ (アバ) に出て王の知遇を得た。仏教説話に依拠した『到彼岸編』 Paramidawgan (1491) ,『祈願編』 Hsutaungan (98?) など,ピョ (韻文の一形式) の作者として有名。パーリ語からの翻訳であり,涅槃にいたるまでの修行の過程を描いたウットゥ (物語) 『彼岸への道』 Parayana (1511) は,ビルマ最古の散文文学とされる。

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