ジベルバラ色粃糠疹(読み)ジベルバラいろひこうしん(その他表記)Pityriasis rosea

六訂版 家庭医学大全科 「ジベルバラ色粃糠疹」の解説

ジベルバラ色粃糠疹
ジベルバラいろひこうしん
Pityriasis rosea
(皮膚の病気)

どんな病気か

 主として20~30代の成人にみられ、腹部を中心に、突然たくさんの赤い発疹ができます。発疹がたくさんでき、派手に見えるわりには自覚症状も少なく、また自然に治るので心配のない病気です。

原因は何か

 原因はいまだ不明です。ある種のウイルスの再活性化により生じるという説や、細菌感染に対するアレルギー説などがありますが、結論は出ていません。

症状の現れ方

 初めに、ツバキ葉っぱほどの大きさの赤い発疹が体に現れることがあります。その発疹がひくかひかないかのうちに、それより小さな楕円形の発疹が急に躯幹(くかん)に生じ、ある一定方向に分布し、とくに背部ではクリスマスツリーのような配列をします(図32)。

 一つ一つは直径3~4㎝までの卵円形の赤い発疹で、大きくなると中心が褐色になり、そのまわりが赤くがさがさして次第に大きくなります。かゆみは、あったりなかったりします。多くは治療をしなくても3~8週間で治ります。

検査と診断

 診断は特徴的な発疹とその分布、経過により判断します。

治療の方法

 かゆみが強い時は抗ヒスタミン薬などのかゆみ止めの内服を行い、発疹にはステロイド外用薬を使用します。

病気に気づいたらどうする

 この病気自体はあまり心配ないものですが、薬疹やウイルス性の発疹などの全身的な病気、あるいは湿疹体部白癬(たいぶはくせん)などの病気とまぎらわしい場合もあるので、皮膚科専門医を受診したほうがよいでしょう。

関連項目

 炎症性の角化症の全項目

金子 栄


出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

家庭医学館 「ジベルバラ色粃糠疹」の解説

じべるばらいろひこうしん【ジベルばら色粃糠疹 Pityriasis Rosea Gibert】

[どんな病気か]
 小児から青年期に多く、胴体(どうたい)を中心に直径0.5~3cm大で楕円形(だえんけい)の淡い紅色の斑(はん)が急速にたくさんできます。放っておいても1~2か月で自然に治ります。
 春・秋に多くみられること、2度かかる人は少ないことから、ウイルス感染症ではないかと考えられています。
 急速に広がることから、薬疹(やくしん)(アレルギー反応)、ウイルス感染症との区別が必要です。
 治療には、抗ヒスタミン薬や副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモンの軟膏(なんこう)が使われます。

出典 小学館家庭医学館について 情報

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