ジョウロウホトトギス(読み)じょうろうほととぎす

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジョウロウホトトギス」の意味・わかりやすい解説

ジョウロウホトトギス
じょうろうほととぎす / 上﨟杜鵑草
[学] Tricyrtis macrantha Maxim.

ユリ科(APG分類:ユリ科)の多年草。根茎は短い。茎は高さ40~80センチメートル、上部は下に傾き、普通は淡褐色の粗い毛がある。葉は卵状楕円(だえん)形または狭卵形で、しだいに先がとがり、長さ8~14センチメートル。葉の基部は円く、耳状になるが、下側にある耳だけが茎を抱く。9~10月、上部の葉腋(ようえき)および茎頂に1個ずつ花を下垂して開く。花被片(かひへん)は倒披針(とうひしん)形で、鮮黄色、内面に紫褐色の斑点(はんてん)がある。外花被片の基部は距(きょ)状に少し伸びる。名の由来は、上﨟(じょうろう)(女官)の意と、花被片の斑点をホトトギスの胸の斑点に見立てることによった。高知県、宮崎県の山中にまれに生育する。

河野昭一 2018年12月13日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「ジョウロウホトトギス」の意味・わかりやすい解説

ジョウロウホトトギス

ホトトギス

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のジョウロウホトトギスの言及

【ホトトギス】より

…これらは次の四つの類縁群(節)にまとめられる。(1)ジョウロウホトトギス節を代表するジョウロウホトトギスT.macrantha Maxim.(イラスト)は,外花被の基部に距(突起)を有する黄色花を垂れ下がるように咲かせる。四国特産で,ほかにキイジョウロウホトトギスT.macranthopsis Masam.,サガミジョウロウホトトギスT.ishiiana Ohwi et Okuyamaなどがある。…

※「ジョウロウホトトギス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

ビャンビャン麺

小麦粉を練って作った生地を、幅3センチ程度に平たくのばし、切らずに長いままゆでた麺。形はきしめんに似る。中国陝西せんせい省の料理。多く、唐辛子などの香辛料が入ったたれと、熱した香味油をからめて食べる。...

ビャンビャン麺の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android