スタガ回路(読み)すたがかいろ(その他表記)stagger circuit

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スタガ回路」の意味・わかりやすい解説

スタガ回路
すたがかいろ
stagger circuit

電子回路の一種で、電気信号で周波数選択性をあまり問題にしない広帯域増幅器に用いられるもの。一般に高い周波数の電子管、またはトランジスタ増幅器では、利得を上げる関係上、共振性のよい同調回路が用いられ、増幅される周波数帯域幅は狭い。スタガ回路はスタガ同調増幅回路ともいわれ、この帯域幅の狭い同調回路数個を電子管またはトランジスタを介して次々と接続する。各段の同調回路の共振周波数は、わずかずつずらせてあり、総合的には広い周波数帯域幅と一様な増幅度が得られるように設計されている。また、多量にすればするほど回路素子の特性に対する要求は厳しくなるが、簡単な回路構成ですむ特長をもつ。実際には、スーパーヘテロダイン受信機テレビ受像機中間周波増幅器、マイクロ波中継器などに広く用いられている。

[岩田倫典]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スタガ回路」の意味・わかりやすい解説

スタガ回路
スタガかいろ
stagger circuit

適当な帯域幅をもった同調増幅回路。テレビジョンの映像中間周波数増幅 (22~27MHzまたは 54~59MHz) など,広く用いられている。単一周波数の同調回路を数段重ね (ただし,各段の同調周波数を少しずつずらす) ,全体としてある帯域幅にわたり一定の増幅度が得られるようにしたもの。

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