スー・セント・マリー運河(読み)すーせんとまりーうんが(英語表記)Sault Sainte Marie Canals

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

スー・セント・マリー運河
すーせんとまりーうんが
Sault Sainte Marie Canals

スペリオル湖からヒューロン湖に流れるセント・マリーズ川の急流部を避けるためにつくられた運河。カナダ側1本、アメリカ合衆国側2本の合計3本の並行する水路総称である。スー運河ともよぶ。合衆国側の運河は1853年着工、1855年に開通したが、以後改修、拡幅が行われ、現在はアメリカ北運河(1919年改修完成、長さ2.6キロメートル、幅24.4メートル、深さ7.5メートル)とアメリカ南運河(1896年改修完成、長さ2.5キロメートル、幅30.5メートル、深さ5.5メートル)に分かれる。カナダ側の運河は1895年完成、長さ2.2キロメートル、幅45.7メートル、深さ6.7メートルである。二つの湖に高低差があるため、アメリカ側に4か所、カナダ側に1か所の閘門(こうもん)が備えられている。

 この運河の整備によって、スペリオル、ヒューロン両湖間に大型船の通航が可能となり、とくにスペリオル湖西部から積み出される鉄鉱石通過が多い。

 通称スーロックスSoo Locksとよばれるアメリカ側の運河は、アメリカ合衆国陸軍工兵隊が管理している。一方、おもに観光船や小型船舶が通行するカナダ側の運河は史跡に指定されており、国立公園局の管理下に置かれている。

青木栄一・青木 亮]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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