センサレス制御(読み)せんされすせいぎょ(その他表記)sensorless control

日本大百科全書(ニッポニカ) 「センサレス制御」の意味・わかりやすい解説

センサレス制御
せんされすせいぎょ
sensorless control

駆動する電動機の回転を検出するセンサーを取り付けないで、制御に必要な回転数、磁極位置などを推定して駆動する制御方式。永久磁石同期電動機を駆動する場合、回転子(界磁)の磁極位置を検出して、それに応じて固定子(電機子)の電流の極性、振幅などを制御するのが一般的である。そのため駆動する電動機に回転子の磁極位置検出用のセンサーを取り付けて運転する。センサーにはホール素子などの磁気検出素子、光学式位置検出などを用いれば磁極位置の検出ができる。エンコーダー符号器)、レゾルバー(回転角センサー)などのセンサーを使用する場合、磁極位置ばかりでなく、回転数も同時に検出できるので、誘導電動機のベクトル制御や同期電動機のサーボ制御などに使われる。

 センサレス制御はブラシレスモーターの場合、磁極位置検出センサーを省略した制御をさすが、交流電動機のベクトル制御、サーボ制御などでは回転数の検出センサーも省略したことを意味している。センサレス制御の方法はさまざまな方法が考案されているが、その多くは電動機の回転による誘導起電力を利用して推定演算する。センサレス制御では制御の精度が低下するので精密な制御の場合にはあまり使われない。

 なお1990年以降、駆動用インバーターの電流制御のための電流センサーも省略して電流センサレス制御も行われるようになった。

[森本雅之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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