タパジョス川(読み)タパジョスがわ(その他表記)Rio Tapajós

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タパジョス川」の意味・わかりやすい解説

タパジョス川
タパジョスがわ
Rio Tapajós

ブラジル北部を流れる川。アマゾン川の右岸支流。同国中部西寄り,マトグロッソ州中南部に連なるマトグロッソ高原とパレシス山脈にそれぞれ源を発するテレスピレス川とジュルエナ川が,同州北端で合流してタパジョス川となり,アマゾナス,パラ両州の州境をなして約 100km北西流したのち,北東に流れを転じてパラ州西部を流れ,サンタレン付近でアマゾン川下流部に注ぐ。全長約 650km,テレスピレス川の水源からは約 2000km。全流路を通じて航行可能で,ジュルエナ川を経てその支流アリノス川を遡航し,運河で結ばれたクイアバ川に出ることができ,さらに同川,次いでパラグアイ川,パラナ川を下ると,ラプラタ川沿岸ブエノスアイレスまで達することができる。沿岸には集落は少いが,フォルドランディア,ベルテラなど重要なゴム園がいくつかある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「タパジョス川」の意味・わかりやすい解説

タパジョス川
たぱじょすがわ
Rio Tapajós

南アメリカ、アマゾン川南岸の支流。全長2100キロメートル、流域面積49万平方キロメートル。ブラジル高原西部、マト・グロッソ高原のサバナ地帯を源流とし、熱帯雨林地帯を北流してアマゾン川に注ぐ。合流点には、ブラジル・アマゾン地方第三の都市サンタレンがある。アマゾン川支流のなかでは濁りの少ない澄んだ水を流す川として知られる。可航区間は、合流点より上流270キロメートルの天然ゴムと砂金の集散地イタイツーバまでである。トランス・アマゾニカ道路とクヤバ・サンタレン道路が流域を縦横に切って建設され、沿道では、農牧業、鉱産資源開発が進みつつある。

[松本栄次]


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