ブラジル北西部の州。面積156万4445km2で,ブラジル国土の18.4%を占め,最大の州。人口281万2557(2000),人口密度1.5人/km2。州都はマナウス。北緯2°9′と南緯9°49′との間に位置する内陸州。1652年ポルトガルがアマゾン川の流域にカピタニア制をしき,その領域は現在のパラとアマゾナスの両州にほぼ匹敵する。1757年その西半分が分離し,サン・ジョゼ・ダ・バラ・ド・リオ・ネグロSão José da Barra do Rio Negroとなり,その後リオ・ネグロとなり,共和制実施(1889)後アマゾナス州となる。国境と接する所が多く,1943年国防上の理由からリオ・ブランコ(現在のロライマRoraima),グアポレ(現在のロンドニアRondônia)が準州に編入されたが,いまでも,ベネズエラ,コロンビア,ペルーと国境を接し,これらの国には,同名の行政区がある。ベネズエラ国境付近ではギアナ高地に接し,ブラジルの最高点ネブリーナ山(3014m)があるが,大部分はいわゆる上アマゾニア,またはアマゾン盆地をその領域とし,アマゾン川本流,その支流ネグロ川,マデイラ川等の大河が流下する熱帯雨林で,州都マナウスで年平均気温26.7℃,最高気温は32℃くらい,年降水量は2243mm,7~9月に短い乾季がある。ゴム,ココア,ブラジルナッツ,ガラナ,パシュリー(薬用植物),硬木,ジュートを産出。都市は州都で商工業都市のマナウスのほか,パリンチンス,イタコアティアラ等河岸に沿う町がみられる。交通はおもに船舶,航空機によるが,現在はマナウスから北にパン・アメリカン・ハイウェー,南にポルト・ベーリョへの国道が開け,南部にアマゾン横断道路が開通している。
→アマゾニア
執筆者:西川 大二郎
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ブラジル北部の州。同国最大の州で、西はペルー、ボリビア、北はベネズエラに接する典型的な低開発地域である。面積157万7820.2平方キロメートル(1996)、人口281万2557(2000)。州都はマナウス。大部分は熱帯雨林に覆われ、人口密度は1平方キロメートル当り1.8人ときわめて希薄である。河川沿いに居住する人々が多く、国勢調査に登録されていない先住民もいる。20世紀初頭には野生ゴム採取で栄えたが、住民の多くは狩猟、漁労や原始的な農業で生活している。主産物は家具用木材、野生ゴム、ナッツ類、バニラなどの採集物である。マナウスで工業開発計画が進められている。
[山本正三]
…そしてこの話が本国などに伝わり,アマゾンがこの大河の名前になったのである。 一般に,アマゾン川の名で呼ばれているこの大河は,本流ぞいにアンデス山地の源流からイキトスまでをマラニョン川,ここからネグロ川の合流点までをソリモンエス川,そして河口までをアマゾナスと呼んだりする。また支流もさまざまで,その長さが1000kmを超えるものが20にも及び,中でもマデイラ川は全長3350km,ジュルア川は約3300km,プルス川は約3150km,ネグロ川とタパジョス川はともに約2000kmと,長大な支流が多い。…
※「アマゾナス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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