日本大百科全書(ニッポニカ) 「タミル・ナド」の意味・わかりやすい解説
タミル・ナド
たみるなど
Tamil Nadu
インド南部の州。ベンガル湾とマンナール湾に面する。1968年以前はマドラス州とよばれていた。面積13万0060平方キロメートル、人口6211万0839(2001)、7214万7030(2011センサス)。州都はチェンナイ(マドラス)。沿岸部にはカーベリ・デルタをはじめ幅広い海岸平野が広がり、内陸部には北部に東ガーツ山脈、西部に高度2000メートルを超える西ガーツ山脈が連なる。住民の多くはドラビダ系のタミル人で、公用語はタミル語である。農業の中心はカーベリ・デルタで、よく整備された灌漑(かんがい)網による米作が行われている。内陸では小麦やキビ類のほか、一部では綿花、コーヒーが栽培されている。チェンナイを中心に綿織物工業が盛んであるが、小規模な工場が多い。このほか電気機器、自転車、セメント工業などもあり、近年はネイベリの石炭化学コンビナートのような国営の近代的工場もいくつか建設されている。
[貞方 昇]