ターンブルブルー

デジタル大辞泉 「ターンブルブルー」の意味・読み・例文・類語

ターンブル‐ブルー(Turnbull's blue)

紺青」に同じ。

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化学辞典 第2版 「ターンブルブルー」の解説

ターンブルブルー
ターンブルブルー
Turnbull's blue

鉄(Ⅱ)塩溶液にフェリシアン化カリウムを加えて生成する青色沈殿.次の2種類の不溶性沈殿の混合物で Fe検出に用いられる.

   3 Fe2+ + 2 K3[Fe (CN)6] →

Fe3[Fe(CN)6]2↓ + 6 K   

   Fe2+ + K3[Fe (CN)6] →

K[Fe Fe (CN)6]↓ + 2 K   

後者の反応はフェリシアン酸塩が沈殿剤,酸化剤として作用して生成した青色沈殿である.ターンブルブルーは酸性では溶けないが,水酸化アルカリで処理すると,次の式のように分解してフェリシアン酸イオンのすべての Feを酸化してフェロシアン酸塩となる.

 Fe [Fe(CN)6]2 + 8KOH

2 K4[Fe (CN)6] + 2 Fe(OH)3 + Fe(OH)2 

 K[Fe Fe (CN)6] + 3 KOH →

K4[Fe (CN)6] + Fe(OH)3 

青色顔料として用いられたものの組成は,K[Fe Fe (CN)6].フェリシアン化カリウムを原料としたターンブルブルーは,現在,顔料として製造されておらず,フェロシアン化カリウムを原料としたプルッシアンブルーがもっぱら製造されている.[別用語参照]紺青

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

百科事典マイペディア 「ターンブルブルー」の意味・わかりやすい解説

ターンブルブルー

硫酸第一鉄水溶液にフェリシアン化カリウムの水溶液を加えて得られる深青色の沈殿。主成分はFeK[Fe(CN)6]で,本質的には紺青(こんじょう)と同じもの。

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改訂新版 世界大百科事典 「ターンブルブルー」の意味・わかりやすい解説

ターンブルブルー
Turnbull's blue

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世界大百科事典(旧版)内のターンブルブルーの言及

【シアノ鉄錯塩】より

…ベルリン青,ベレンス,紺青などともいわれる。これは黄血塩と鉄(III)塩との反応で得られるが,赤血塩と鉄(II)塩との反応でも同様の青色顔料が得られ,こちらはターンブルブルーと呼ばれた。後になって両者は同じものであることがわかり,鉄(II)および鉄(III)をシアノ基が橋架けしたベルリン酸塩なる巨大分子錯体であることが推定された(構造単位はFeIII[FeII(CN)6FeIII]3,ただしベルリン酸H[FeII(CN)6FeIII]自体は得られていない)。…

※「ターンブルブルー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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