テル・サラサート遺跡(読み)テル・サラサートいせき(その他表記)Tell Thalathat

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テル・サラサート遺跡」の意味・わかりやすい解説

テル・サラサート遺跡
テル・サラサートいせき
Tell Thalathat

イラク北部,アルマウシルの西方約 60kmにある遺跡。 1956年以来東京大学イラク=イラン遺跡調査団が発掘を行なっている。遺跡は5つのテルから成る。第2号丘の文化は,新石器のハッスーナ期 (前 6000~5500頃) ,ウバイド期 (前 4000~3500頃) ,ウルク期 (前 3500~3000頃) ,の3期に分けられる。ハッスーナ期には,住居が竪穴から方形建物に変化し,粗製土器がつくられた。ウバイド期には,周囲に溝をもつ村落が形成され,彩文土器が製作された。ウルク期には,小神殿が建てられ,刻文土器が焼かれた。第5号丘は,ニネベ第5期 (前 3000頃) のテルで,方形の倉庫,円形の土器を焼く窯が築かれた。彩文の台付き大鉢,円筒印章が発見された。第1号丘の最上からは前 1500年頃 (フルリ時代) の構築物が発掘された。しかし第1,3,4号丘のほとんどは未発掘である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

貨幣 (名目) 賃金額を消費者物価指数でデフレートしたもので,基準時に比較した賃金の購買力を計測するために用いられる。こうしたとらえ方は,名目賃金の上昇が物価の上昇によって実質的には減価させられている...

実質賃金の用語解説を読む