ウルク期(読み)ウルクき(英語表記)Uruk period

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウルク期」の意味・わかりやすい解説

ウルク期
ウルクき
Uruk period

メソポタミアウバイド期に続く文化期。前期と後期に二分し,後期に絵文字の出現がみられるところから,後期とジェムデット・ナスル期を合わせて原文字期とする説が有力である。ウルク前期の遺跡はエリドゥ,ウバイド (→ウバイド遺跡 ) ,ヌジ (→ヌジ遺跡 ) ,ニネベ (→ニネベ遺跡 ) ,ガウラ (→テペ・ガウラ遺跡 ) などかなり知られているが,ほとんどは上層に原文字期の層が重なっていて広範な調査は行なわれていない。そのため遺跡の規模をはじめ不明な点が多い。ただウルクの天空神アヌの神殿の最下層 (第 10層) が 9m近くあることから,すでに大規模な神殿がつくられ始めたことや,ガウラでは見張り台や要塞と考えられる建物址が発見されていることなどからかなりの町邑が形成されていたと考えられる。また文化的には,土器の製作に轆轤 (ろくろ) が使用され始め,彩文はほとんど施されず,赤色,灰色の化粧土をかけ研磨したこと,円筒印章がつくられ始めたことが特徴としてあげられる。

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