ディオニーシー(読み)でぃおにーしー(英語表記)Дионисий/Dionisiy

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ディオニーシー」の意味・わかりやすい解説

ディオニーシー
でぃおにーしー
Дионисий/Dionisiy
(1440ころ―1502/03?)

ロシア画家ルブリョフと並ぶロシア・イコンの傑出した画家。主としてモスクワおよび中部ロシアの修道院で制作した。この時代はモスクワ公国を中心にロシア統一の気運が高まり、そのために正教会の力も強くなって、イコンや壁画にもそれが反映している。すなわち、その手法の簡潔さと華麗さである。ルブリョフに比べると、ややその心理的描写は劣るが、色彩の使い方には目を見張るものがあり、フランスの画家マチスに大きな影響を与えたともいわれている。現存する作品は少なく、トレチャコフ美術館の3点のほか、フェラポントフ修道院のイコンや壁画が有名である。

木村 浩]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android