山川 世界史小辞典 改訂新版 「ディーワーニー」の解説
ディーワーニー
dīwānī
ディーワーンの権限という意味。ディーワーンは,ムガル帝国の地方行政組織では,財政・民事裁判担当の大臣のこと。スーバダール(州総督)の下で,軍事・刑事裁判担当のファウジュダールとともに州の行政を担った。イギリス東インド会社は,バクサルの戦いに勝つと,1765年ムガル皇帝シャー・アーラム2世と条約を結び,ベンガル,ビハール,オリッサのディーワーニーを獲得した。これはこの地方からあがる莫大な税収を手に入れたことを意味するが,徴税するためには実効的に人と土地を支配しなければならないので,これをもってイギリスの領土支配が始まったとするのが普通である。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報