デイルイス(英語表記)Cecil Day Lewis

改訂新版 世界大百科事典 「デイルイス」の意味・わかりやすい解説

デイ・ルイス
Cecil Day Lewis
生没年:1904-72

イギリスの詩人アイルランドに生まれ,オックスフォード大学に学んだ。1930年代にW.H.オーデン,S.スペンダー,L.マックニースらの友人とともに,マルクス主義の立場からイギリス社会の偽善を告発する詩を書いた。〈オーデン・グループ〉のなかでは,伝統的詩型と抒情性がきわだっていた。《磁石の山》(1933),《死への序曲,その他の詩》(1938)などの詩集のほか,評論《詩への希望》(1934)がこの時期の成果である。第2次大戦後の《イタリア訪問》(1953)は,政治的情熱から個人的暝想へと主題の移行を示している。オックスフォード大学詩学教授(1951-56)になり,1968年から死までは桂冠詩人であった。最後の詩集は《ささやく根,その他の詩》(1970),ほかに啓蒙的詩論《詩を読む若き人々のために》(1944)や《アエネーイス》の英訳などの仕事がある。ニコラス・ブレークNicholas Blakeの筆名で《野獣死すべし》(1938),《不思議の国のマリス(悪意)》(1940)など20余の推理小説を書いた。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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