デバイ関数(その他表記)Debye function

法則の辞典 「デバイ関数」の解説

デバイ関数【Debye function】

(1) 比熱におけるデバイ関数.デバイは低温における結晶の比熱を結晶格子の熱振動によるものとして説明を与えたが,これに従うと

かたちとなる.この絶対温度と特性温度の比によって変化する関数 Fx)をデバイ関数(比熱の)と呼ぶ.

(2) 結晶解析におけるデバイ関数.結晶構成原子の熱振動のため,ブラッグ反射*強度が,デバイ‐ウォラー因子*に従って減少する.デバイ‐ウォラー因子をexp(-2M/T)の形で書くと,この M は次式で表される.ただし hプランク定数*kボルツマン定数*,λ は波長,θ は散乱角の1/2である.この ΘDデバイ温度*と呼ばれる.

この式に現れる φ(x)をデバイ関数と呼んでいる.

出典 朝倉書店法則の辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のデバイ関数の言及

【デバイの比熱式】より

Rは気体定数,Tは絶対温度,ΘDは上の打切りに対応するエネルギーでデバイ温度と呼ばれ,数百Kの程度である。また,fDはデバイ関数と呼ばれ,である。デバイの比熱式では,Cvは低温でT3に比例,また高温では一定となってデュロン=プティの法則に一致し,広い温度域にわたってよく実験と整合する。…

※「デバイ関数」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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