デンシワーイ事件(読み)デンシワーイじけん

改訂新版 世界大百科事典 「デンシワーイ事件」の意味・わかりやすい解説

デンシワーイ事件 (デンシワーイじけん)

1906年,イギリスの植民地支配下にあるエジプトのデンシワーイDanshiwāy村で鳩撃ちに来たイギリス兵士と農民との間におこった事件。死亡したイギリス兵士をめぐる裁判で多数の農民がみせしめに絞首刑にされたため,これまで比較的沈黙を守ってきたエジプトの大衆は,民族解放運動を積極的に支持するようになった。こうした状況の中で国民党をはじめとする諸政党がエジプトではじめて組織化されて民族解放運動は新たな段階に入るが,結局運動は知識人層にのみとどまり,せっかくの民族的高揚はその後停滞してしまった。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android