デ・ボーノ(読み)でぼーの(英語表記)Emilio De Bono

日本大百科全書(ニッポニカ) 「デ・ボーノ」の意味・わかりやすい解説

デ・ボーノ
でぼーの
Emilio De Bono
(1866―1944)

イタリアの軍人、ファシスト大幹部。第一次世界大戦中、陸軍少将になり、グラッパ攻防戦で勇名をはせた。ファシズム運動の形成過程で重要な役割を演じ、1922年10月のローマ進軍を指導する四巨頭の一人に選ばれた。ムッソリーニ政権の下で、保安警察長官、国家安全義勇軍総司令官トリポリタニア総督(1925~1928)、植民地相(1929)を歴任。ムッソリーニとともにエチオピア戦争の準備計画を立案し、初期の軍総司令官であったが、作戦面でムッソリーニと対立したため解任された。まもなく元帥に昇進したものの、この解任以来、アフリカ担当大臣との反目も手伝って、デ・ボーノはムッソリーニに不満を募らせた。1943年7月の最後の大評議会で、ムッソリーニの更迭を要求したグランディ案に賛成投票したため、サロ共和国の設立後逮捕され、ベローナ裁判で死刑を宣告され、銃殺された。

[重岡保郎]

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「デ・ボーノ」の解説

デ・ボーノ
Emilio De Bono

1866~1944

ローマ進軍を指揮した4首脳の一人。1929~35年ファシズム内閣の植民相。エチオピア戦争の総司令官。43年ファシズム大評議会ムッソリーニに反対してヴェローナ裁判で銃殺。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

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