デービス(William Morris Davis)(読み)でーびす(英語表記)William Morris Davis

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

デービス(William Morris Davis)
でーびす
William Morris Davis
(1850―1934)

アメリカの地理学者。フィラデルフィアに生まれる。ハーバード大学を卒業後、アルゼンチンコルドバの気象観測所に勤務した。1876年に母校のハーバード大学に帰り、1890年から1912年まで同大学の地理学・地質学教授を務めた。その間ベルリン大学で交換教授として講義を行い、それが有名な『地形学の説明的記載』Die erklärende Beschreibung der Landformen(1913)の著書となった。1904年にアメリカ地理学者協会を創設し、3期にわたり会長を務め、1911年にはアメリカ地質学会会長となった。地形の発達過程を進化論的にみて、いわゆる地形輪廻(りんね)説を提唱し、世界の地形学に画期的な進歩をもたらした。しかしこの説に対して、ギルバートGrove Karl Gilbert(1843―1918)の実証的な地形学などが提唱されるなどして多くの議論をよぶに至ったが、地形発達の学説史に一つの金字塔を築いたことは確かである。多くの著書のうち『自然地理学』(1898)、『サンゴ礁問題』(1928)、『石灰洞成因』(1930~1931)などが有名である。

[市川正巳]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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