トラバンコールコーチン藩王国(読み)トラバンコールコーチンはんおうこく

改訂新版 世界大百科事典 の解説

トラバンコール・コーチン藩王国 (トラバンコールコーチンはんおうこく)

南インドのマラバル海岸に面し,トラバンコールコーチンはいずれも1795年から1947年までイギリス保護下にあった藩王国。住民の共通言語はマラヤーラム語Malayālam。1927年12月に英領インド内の民族主義者も加わり,全インド藩王国人民会議All-India States' Peoples Conferenceが創設され,その指導でこの両藩王国でも,民主的政体を求める運動が展開された。47年8月のインド独立に際し,両国とも藩王はインドへの編入を表明し,円滑に併合された。一方,1940年代半ばからマラヤーラム語を共有するこれら地域で,言語別州再編要求の運動が開始されており,独立後の49年7月にトラバンコール・コーチンTravancore-Cochin州が成立した。しかし言語州要求の運動は収まらず,結局55年の州再編委員会報告に基づく,翌56年の全インドにわたる言語別州再編の措置によって,トラバンコール・コーチン州からタミル語の5郡を除き,一方,英領下でマドラス州に属したマラバル県が加えられてケーララ州となり今日に至っている。
ドラビダ
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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