日本大百科全書(ニッポニカ) 「マラバル海岸」の意味・わかりやすい解説
マラバル海岸
まらばるかいがん
Malabar coast
インド半島南部の西海岸。北はゴアから南はコモリン岬まで950キロメートルにわたって続く。背後を西ガーツ山脈の急崖(きゅうがい)によって限られ、幅は最大でも60キロメートルほどしかない。内陸部にはラテライト皮殻をもつ海岸段丘が発達し、海岸部には砂丘と潟湖(せきこ)が多い。冬季に短い乾期をもつものの、南東貿易風がもたらす降水量は年2000~4000ミリメートルにも及び、高温多湿である。そのため丘陵地や砂丘におけるココナッツ類の栽培が盛んで、こしょう、カルダモンなどの特産品もある。主要都市として、パナジーをはじめ、マンガルール(マンガロール)、コジコーデ、コーチ(コーチン)、クイロン、ティルバナンタプラム(トリバンドラム)などがある。
[貞方 昇]