トロブリアンド[諸島](読み)トロブリアンド

百科事典マイペディアの解説

トロブリアンド[諸島]【トロブリアンド】

ニューギニア島東端,ダントルカストー諸島の北方に分布する小サンゴ島群。パプア・ニューギニア所属。土地肥沃でヤムイモを主産し,農業がさかん。真珠貝,真珠,ナマコなども産する。住民の交易の儀礼(クラ)についてのB.マリノフスキーの調査で知られる。440km2,約2万1000人。

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世界大百科事典 第2版の解説

トロブリアンド[諸島]【Trobriand Islands】

南西太平洋,ニューギニア島南東端の北沖合に位置し,パプア・ニューギニア国のミルン・ベイ州に属する島群。四つの平たんなサンゴ島と周辺の環礁からなる。面積約440km2,人口約1万。島名は18世紀末にダントルカストーの率いた探検隊の一士官の名前に由来する。主島はキリウィナ島。地勢は最も高い所が標高30mのサンゴ崖で,ほかは海面と大差のない低い島々である。土壌が肥えているためヤムイモ,タロイモなど根茎類の栽培に適し,菜園農業で国内におけるモデルになっている。

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世界大百科事典内のトロブリアンド[諸島]の言及

【一夫多妻婚】より

…このように一夫多妻婚は,政治的・経済的要因と結びつき,上層でとくに顕著に行われる傾向がある。一夫多妻が夫の地位をさらに高める手段となっている例は,トロブリアンド島にも見られる。ここでは,その主要作物であるヤムイモを大量に姉妹の夫に贈る慣習と結びついて,時には数十人の妻をもつ首長のもとにヤムイモが集積し,彼の権力の重要な経済的基盤となっている。…

【クラ】より

…人類学者マリノフスキーが最初に記述し,本来文字を持たない社会の交換や交易の例として知られる。クラはトロブリアンド,アムフレット各諸島,ダントルカストー諸島のドブ語使用地域,トゥベトゥベやミシマ島,ウッドラーク諸島などの,広範囲にわたる慣習や言語の異なる部族社会を閉じた環とし,その圏内を時計回りに赤色の貝の首飾(ソウラバ),逆方向に白い貝の腕輪(ムワリ)の,2種類の装身具が贈物として,リレーのバトン,あるいは優勝旗のように回り続けることを特徴とする。これらは財物であるが1~2年以上は保有せず,より早く次の相手に贈らねばならない。…

【パプア・ニューギニア】より

… ニューギニア島北東岸沖のマヌス州にあるマヌス島では,女が外で農耕を行い,男が育児と炊事を行っており,人形に興味をもつのは女児ではなく男児である。ニューギニア島東端のミルン湾州のトロブリアンド諸島では,あらゆる男女の禁忌のなかで兄弟と姉妹のそれが最も強く,年ごろになると兄弟と姉妹は互いに顔も見ないようにしなければならない。この社会は母系制であり,子どもは母と同じ集団に属する。…

【マリノフスキー】より

…そしてロンドン・スクール・オブ・エコノミックスに入学,ウェスターマークやC.G.セリグマンの指導のもとですでに着手していたアボリジニーに関する研究を行った。しかし研究者としての真価が発揮されたのは,14年から18年にかけて行ったニューギニア東部のトロブリアンド諸島における調査によってである。彼がこのときに行った,一人の調査者が長期にわたって,現地語を用い,当該社会の生活に加わりながら観察を行う(参与観察participant observation),という調査法は,現在に至るまで人類学の野外調査の範型となっている。…

※「トロブリアンド[諸島]」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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