ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドミナツス体制」の意味・わかりやすい解説 ドミナツス体制ドミナツスたいせいdominatus 3世紀末のローマ皇帝ディオクレチアヌス,ないしは4世紀初頭のコンスタンチヌス1世 (大帝)によって確立された専制君主政。皇帝を主ドミヌス dominusと呼ばせたのでこの名がある。これ以後を後期ローマ帝国ともいう。皇帝は絶対権力を有し,最高の立法,司法,軍事,行政権を一身に集中させた。それをイデオロギーの点から正当化させたのが神寵帝理念であり,実際には東方的な宮廷儀礼の導入によって皇帝の神聖化がはかられた。これらドミナツス体制の諸特徴は,すでに元首政 (プリンキパツス ) から徐々に現れているが,ディオクレチアヌス,コンスタンチヌスらは帝国の再建のために皇帝絶対化による体制強化を体系化したといえる。特にコンスタンチヌスはキリスト教を公認することによって,それを皇帝権の精神的支柱とすることになった。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by