一身(読み)イッシン

デジタル大辞泉 「一身」の意味・読み・例文・類語

いっ‐しん【一身】

一人のからだ。一人の人。
自分一人。おのれ自身。「衆望一身に集める」「責任一身に負う」
全身。自分の命。「一身して事に当たる」
[類語]本人当人当事者当方張本人自ら自分自身自己おのれわれ自分自身

ひと‐み【一身】

からだ全体。全身。
あぶ…など出でて、目鼻ともいはず、―にとりつきて刺せども」〈宇治拾遺・三〉

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精選版 日本国語大辞典 「一身」の意味・読み・例文・類語

いっ‐しん【一身】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 一つの身体。ひとりの人。
    1. [初出の実例]「一身三密過塵滴」(出典:性霊集‐一(835頃)山中有何楽)
    2. 「ほどせばしといへども、夜臥す床(ゆか)あり、昼居る座あり、一身をやどすに不足なし」(出典:方丈記(1212))
    3. [その他の文献]〔史記‐匈奴伝〕
  3. 自分自身。自分ひとり。
    1. [初出の実例]「早旦一身管弦、兼琵琶、箏、笛、拍子、歌次見馬」(出典:殿暦‐康和二年(1100)正月九日)
    2. 「一身の外味方なしとは、日本を出る時よりかくごのまへ」(出典:浄瑠璃・国性爺合戦(1715)三)
  4. からだ全体。全身。総身
    1. [初出の実例]「一身ゆふゆふと腫たる者」(出典:今昔物語集(1120頃か)二四)
    2. [その他の文献]〔蜀志‐趙雲伝裴注〕

ひとつ‐み【一身】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 人一人のからだ。ひとり。いっしん。
    1. [初出の実例]「ひとつ身といはん小梅の花衣〈友清〉」(出典:俳諧・細少石(1668)春上)
  3. 区別のない同じような身。
    1. [初出の実例]「たかきもいやしきも女はひとつ身なり」(出典:金刀比羅本平治(1220頃か)下)
  4. 並幅の布一枚を身頃にした、背縫のない着物。また、その仕立て方。一、二歳ごろまでの子ども衣服
    1. [初出の実例]「一つ身を前からきせる大さわぎ」(出典:雑俳・柳多留‐一〇(1775))

ひと‐み【一身】

  1. 〘 名詞 〙 からだ全体。全身。
    1. [初出の実例]「あぶ、はち、むかで、とかげ、くちなはなど出でて、目はなともいはず、ひと身にとりつきて刺せども」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)三)

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