ニクソン大統領弾劾問題(読み)ニクソンだいとうりょうだんがいもんだい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニクソン大統領弾劾問題」の意味・わかりやすい解説

ニクソン大統領弾劾問題
ニクソンだいとうりょうだんがいもんだい

1973年7月ウォーターゲート事件のもみ消し工作証拠となりうる録音テープの存在が明らかとなったが,R.ニクソン大統領は A.コックス特別検察官や上院調査委員会にその提出を拒否したうえ,同特別検察官を解任。また一部提出したテープに空白部分があったため,国民の不信感は急速に高まった。さらに大統領の脱税容疑,牛乳業界からの政治献金その他の問題もあって国民の批判は一層強まり,テープ提出問題も三権分立制に関する憲法上の問題へと発展した。こうして 74年下院司法委員会は,司法妨害,権力濫用,議会侮辱を理由にニクソン大統領の弾劾可決,下院本会議ならびに上院弾劾裁判の見通しも大統領にとりきわめて暗かったため,ニクソンはついに8月9日自発的に辞任するにいたった。

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