ネグレクト(英語表記)neglect

翻訳|neglect

デジタル大辞泉の解説

ネグレクト(neglect)

[名](スル)
無視すること。ないがしろにすること。「住民の要望がネグレクトされる」
子供に対する適切な養育を親が放棄すること。例えば、食事を与えない、不潔なままにしておく、病気やけがの治療を受けさせない、乳児が泣いていても無視するなどの行為のこと。子供の精神的な発達が阻害され、人格形成に悪影響を与えるといわれる。養育放棄。→児童虐待

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵の解説

ネグレクト

ネグレクト(neglect)とは、怠慢もしくは無視、看過、ないがしろにするなどの意味を表す英語の名詞・動詞であるが、日本では育児放棄を指す概念として専ら使われてきた。同様に介護や養育を必要とする高齢者や傷病者、障害者などに対して、適切な衣食住を提供することを行わず、放置・遺棄することが社会問題化し、これらについてもネグレクトと称されている。
児童虐待防止法(児童虐待の防止等に関する法律)によれば、児童虐待の定義として、暴行や性的虐待、心理的虐待などと並んで、「著しい減食又は長時間の放置」が挙げられている。その具体例として厚生労働省は、いくつかのケースを指摘している。家に閉じ込め病気になっても病院に連れて行かなかったり、乳幼児を家や車の中に放置したりといった、健康・安全への配慮を怠っているケース。食事、衣服、住居などが極端に不適切で、健康状態を損なうほどの無関心・怠慢から生じるケースなどである。
社会的弱者の生活保障にあっては、公的扶助に先んじて親族間などの私的扶養が優先される。それゆえ、ネグレクトは基本的には扶養義務の放棄とみなされるが、扶養の負担を親子だけで支えることは容易ではない。こうした面から、核家族化により親族集団が分散化してきたことをネグレクトの要因の一つとして指摘する意見もある。しかしながら、児童や弱者に対する虐待やネグレクトが、近年になって増加しているとは必ずしも言えない。被扶養者の特性、扶養義務者の性格、経済、就労、家族関係、住居、更には近隣の関係、福祉、保健、医療、教育、司法など多岐にわたる問題が複合して連鎖的に作用する構造的な背景があるものと考えられる。また、成人であっても認知症や精神疾患による判断力低下などから、通常の生活を維持する意欲や能力を喪失し、ゴミ屋敷や孤立死などに至るセルフ・ネグレクト(自己放任)と呼ばれる状況も浮かび上がってきている。民間団体や行政などにより様々な取り組みが進んでいるが、実態の把握も含めて社会として解決する仕組みは整っていない。

(金谷俊秀 ライター/2015年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

ネグレクト

十分な食事を与えなかったり、長期間入浴や着替えをさせなかったりする育児放棄。県によると、2012年度に全19市町と県子ども家庭相談センター(児童相談所)に寄せられた児童虐待の相談は4270件。ネグレクトが1804件(42.2%)で最も多く、身体的虐待と心理的虐待はいずれも3割弱だった。ネグレクトの内訳では、0~3歳未満が271件(15%)など小学生以下が7割を超えた。

(2013-10-27 朝日新聞 朝刊 滋賀全県 1地方)

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大辞林 第三版の解説

ネグレクト【neglect】

無視すること。放置すること。怠ること。
養育者による、子供に対する不適切な保護や養育。衣食住を十分に世話しない場合や、精神的・医療的なケアを十分に行わない場合など。栄養不良や発達障害などを引き起こすほか、人格形成に多大な影響を与える可能性がある。育児放棄。養育放棄。 → 児童虐待

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

ネグレクト

〘名〙 (neglect) 無視すること。ないがしろにすること。
※文学雑話(1908)〈夏目漱石〉「イグノランスとかブルータリティーとかは全くネグレクトされて居る」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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