ネレイス
ねれいす
Nereis
ギリシア神話の海神ネレウスの50人の娘たちの総称。ネレイデスNereides(複数形)ともよばれる。いずれも美しい乙女で、父の海底の宮殿で歌ったり、糸を紡いだりして日常を過ごし、波の穏やかな日和(ひより)には海面に浮かび上がってくるという。それぞれの名は、海上の現象と事物に関連するもの、ただ美しく優雅な比喩(ひゆ)的なものなどさまざまであり、なかにはポセイドンの妻アンフィトリテ、オケアノスの妻ドリス、アキレウスの母テティスなど個性の明確な、しかも神話ではエピソードの中心となるような役割をもつものもある。
[伊藤照夫]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内のネレイスの言及
【人魚】より
…この神は豊饒をつかさどり,ギリシアのアフロディテやローマのウェヌス(ビーナス)の原形となった。ギリシアでは,海の精ネレイスNērēisたちや海神[トリトン]が人魚の姿を取る。そして後代になると,これらの神々に形態が類似する海獣などが同じ名称で呼ばれるようになり,神話的存在と実在の動物との混同を促進させた。…
※「ネレイス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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