ハンブルク演劇論(読み)ハンブルクエンゲキロン(英語表記)Hamburgische Dramaturgie

デジタル大辞泉 「ハンブルク演劇論」の意味・読み・例文・類語

ハンブルクえんげきろん【ハンブルク演劇論】

原題、〈ドイツHamburgische Dramaturgieレッシング著作ハンブルク国民劇場演劇顧問を務めていた著者による演劇評論集。1767年から1769年にかけて刊行

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハンブルク演劇論」の意味・わかりやすい解説

ハンブルク演劇論
はんぶるくえんげきろん
Hamburgische Dramaturgie

ドイツの劇作家レッシングの演劇評論集。1767年4月に創設されたハンブルク国民劇場の文芸部員となったレッシングが、同年5月~69年3月に発表。全104節。初めは劇団機関誌連載の劇評の形をとったが、回を追うにしたがい、作品・俳優評を超えた戯曲演技論の色を濃くしていき、第50節以降はもっぱら演劇の本質にかかわる理論的解明力点が置かれた。とくに誇張を排した自然で人間的な演技を説き、フランス古典主義演劇を否定してシェークスピア劇を推奨し、またアリストテレス悲劇論を再解釈するなど、ドイツ演劇革新と国民演劇の樹立に大きな役割を果たした。

[大島 勉]

『奥住綱男訳『ハンブルク演劇論』全二冊(1972・現代思潮社)』

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