バミレケ族(読み)バミレケぞく(英語表記)Bamileke

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バミレケ族」の意味・わかりやすい解説

バミレケ族
バミレケぞく
Bamileke

カメルーン中部のバミレケ地方に住む約 90の集団の総称。言語はニジェール=コンゴ語派のベヌエ=コンゴ諸語の一つを話す。人口は 200万以上と推定される。各集団はバミレケと自称せず,所属する小王国の名などを使う。小王国は,神聖王,廷臣役人侍者,さらに権威ある皇太后などをそろえ,アフリカの専制王国の性格をよく示している。家系や相続は父系をたどり,一夫多妻婚が行われる。定着農業を営み,とうもろこし,タロいも,落花生などを栽培する。開墾,建築,工芸などは男性が,耕作は女性が分業して行う。正方形の家に円錐形屋根の住居が特徴的で,首長の家の戸口や柱には彫刻がなされる。祖先崇拝が伝統宗教で,医術を心得,土ぐもで占いをする妖術師がいる。北部ではイスラム教が受入れられており,キリスト教徒も少くない。

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世界大百科事典(旧版)内のバミレケ族の言及

【カメルーン】より

…(2)北西部のカメルーン高地には,バントゥー語に近縁の言語を話す小規模の部族が点在しており,それぞれ小さな王国を形成する首長制社会を維持している。バミレケ族は人口約40万を超えるが,そのほかバムン族,ティカル族などが居住する。これらの諸部族は,仮面やブロンズ彫刻,ビーズ細工など,華麗な物質文化を誇っている。…

※「バミレケ族」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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