バルセロナ・トラクション事件(読み)バルセロナ・トラクションじけん(その他表記)Barcelona Traction Case

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

バルセロナ・トラクション事件
バルセロナ・トラクションじけん
Barcelona Traction Case

ベルギー国民が大部分の株式を有するカナダ法人バルセロナ・トラクション社の複数の子会社スペインで電力関連事業を行なっていたところ,1948年に社債利息未払いを理由にスペイン裁判所が同社の破産宣告財産差押え,売却を行なった。これに対してベルギーがスペインを相手取って損害賠償責任を国際司法裁判所に提訴した事件。裁判所は 64年7月 24日にスペインの先決的抗弁を中心とする異議申立て棄却,70年2月5日にベルギーの請求を棄却する本案判決を下した。本判決では会社が被った損害につき外交的保護権が認められるのは,一般国際法上会社の本国であることを確認し,株主の本国に認められるべき特別の事情を否定したものとして注目される。

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