バルト海沿岸諸国評議会(読み)バルトかいえんがんしょこくひょうぎかい(英語表記)Council of the Baltic Sea States; CBSS

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バルト海沿岸諸国評議会」の意味・わかりやすい解説

バルト海沿岸諸国評議会
バルトかいえんがんしょこくひょうぎかい
Council of the Baltic Sea States; CBSS

バルト海沿岸 11ヵ国 (デンマークノルウェースウェーデンフィンランドロシア連邦エストニアラトビアリトアニアポーランド,ドイツ,アイスランド) の外務大臣ヨーロッパ委員会で構成される評議機関。 1992年に発足本部はスウェーデンのストックホルム。年1回,加盟国の首都で会合し,経済・技術,環境,エネルギー,運輸・通信,観光,教育,文化などの分野で,地域的協力活動に対し政治的支援を行ない「バルト海周域に真に民主的な共同体を再現させる」ことを目的としている。この地域はかつてハンザ同盟の活動の場であるなど歴史上一つの圏をなしてきたが,東西対立の緩和に伴い,1990年以来,関係諸国のみならずこの地域の都市や地方自治体,市民団体などの間で地域協力体制を組む気運が高まった。特に,1991年のバルト3国の独立がこの動きを加速し,設立にいたった。バルト海周域の環境汚染対策,旧社会主義圏諸国の経済再建,伝統の復活など文化的協力が期待されている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「バルト海沿岸諸国評議会」の意味・わかりやすい解説

バルト海沿岸諸国評議会
ばるとかいえんがんしょこくひょうぎかい
Council of Baltic Sea States

略称CBSS。バルト海沿岸諸国評議会は、1992年3月にコペンハーゲンでの外相会議によって設立された地域協力の協議組織。活動は年1回の外相会議を軸に、いくつかの分野別(新たに民主主義体制をとった国々への援助、経済・技術協力、人権問題、環境・エネルギー、文化交流・観光、運輸・通信)の専門家会合などからなっている。加盟国はデンマーク、エストニア、フィンランド、ドイツ、アイスランド、ラトビア、リトアニア、ノルウェー、ポーランド、ロシア、スウェーデンの11か国および欧州委員会。そもそもこの協力関係はバルト海の環境保護という現実的な共通利害を有しているうえに、北欧会議などで地域協力の経験豊富な北欧諸国が積極的にかかわっており、また経済大国ドイツと政治的な大国ロシアが参加していることから、単なる実務協力という枠にとどまらず、冷戦後のヨーロッパ秩序再編に政治的影響力を及ぼしうる地域協力としても注目されてきた。

[広瀬佳一]

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