パイチエチー(読み)ぱいちえちー

日本大百科全書(ニッポニカ) 「パイチエチー」の意味・わかりやすい解説

パイチエチー
ぱいちえちー / 白切鶏

中国料理の前菜(チエンツァイ)の一種で、鶏の白煮である。雛(ひな)の内臓を抜いてきれいに水洗いし、腹腔(ふくこう)内に少量の酒を入れてまんべんなくしみ込ませ、軽くたたきつぶしたネギショウガを入れる。この鶏を深鍋(なべ)に入れ、酒と水で30~40分間、箸(はし)が楽に通るくらいまでよく煮る。鍋の大きさによっては鶏を縦半分に切り割りして、ネギとショウガを入れて煮てもよい。柔らかくなったら取り出し、皮の表面に薄くふり塩して休めておく。まだぬるいうちに皮を傷つけないように骨を抜き去り、1センチメートル幅に切りそろえて器に盛る。半羽に切って煮たものは骨ごとぶつ切りにしてもよい。薄味がついているのでそのまま食べてもよいが、練りがらし、ごま油入りしょうゆを添えて出す。好みにより八角茴香(パーチヤオホイシャン)を少量入れて煮ると芳香があって風味を増す。この料理はぬるいときが食べごろだが、冷めてもおいしい。蒸してつくってもよいが、煮るよりすこし時間をかける。

[野村万千代]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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