前菜(読み)ゼンサイ

デジタル大辞泉 「前菜」の意味・読み・例文・類語

ぜん‐さい【前菜】

料理で、正式の献立コースの前に出す軽い料理。西洋料理ではオードブルロシア料理ではザクースカ中国料理では前菜チェンツァイという。日本料理では通し突き出しなどがこれにあたる。
[類語]オードブルザクースカアンティパスト

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精選版 日本国語大辞典 「前菜」の意味・読み・例文・類語

ぜん‐さい【前菜】

  1. 〘 名詞 〙 食事最初に出される料理。西洋料理ではオードブル、ロシア料理ではザクースカ、中国料理では前菜(チエンツァイ)、また大菜に対して小菜ともいわれる。日本料理では、従来は料理を出す前に酒にそえて手のかからない酒のさかなを出す程度であったが、西洋料理などの影響でこれがとり入れられるようになった。
    1. [初出の実例]「円テーブルを囲みながら、日本酒と紹興酒と前菜とで晩餐が始められ」(出典:細雪(1943‐48)〈谷崎潤一郎〉上)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「前菜」の意味・わかりやすい解説

前菜
ぜんさい

食事の前に出される料理。少量で食欲をそそらせ、西洋料理ではオードブル、ロシア料理ではザクースカ、中国料理ではチエンツァイといっている。日本料理では、お通し、突き出しなどとよばれるものが、これに相当する。

[野村万千代]

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改訂新版 世界大百科事典 「前菜」の意味・わかりやすい解説

前菜 (ぜんさい)

食事の最初に出される料理。食欲を刺激するために食前酒とともに供されるのがふつうで,西洋料理のオードブル,ロシア料理のザクースカ,中国料理の前菜(チエンツアイ)などをいう。日本では,従来料理が出るまでのつなぎとして小鉢小皿に簡単な料理を盛ったものを酒のさかなとして供し,〈お通し〉〈突出し〉などと呼んでいたものが,これに当たる。現在では外国料理の影響などによって前菜と称し,献立の最初に3~5品の料理を取り合わせて供することが多くなった。材料はさまざまであるが,はしりの物を用いて季節感を盛り上げる傾向が強く,器にも陶磁器漆器だけでなく,竹器,紙器を用いて趣向をこらすことが多い。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「前菜」の意味・わかりやすい解説

前菜
ぜんさい

献立コースの前に出される小品の料理。食欲増進の役目をする。フランスではオードブル hors-d'œuvre,イギリス,アメリカではアペタイザー appetizer,中国では冷たい前菜は冷葷,温かい前菜は熱盆,ロシア料理ではザクースカ,日本では突き出し,お通しと呼ばれている。食前に出されるものであるから,あとの食事にさしさわりや重複のないように,形も量も軽小で美味につくられる。

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百科事典マイペディア 「前菜」の意味・わかりやすい解説

前菜【ぜんさい】

食事の最初に供される料理で,西洋料理のオードブルにあたる。日本料理では通肴(とおしざかな)(お通し,つき出し)といって,料理を出す前に酒に添えて手のかからぬ簡単な食品を供したが,最近では,イクラのおろしあえ,ウズラの卵の半熟などを三品盛,あるいは数種類を一皿盛にして取り回す形式など,技巧をこらすようになった。

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「前菜」の解説

ぜんさい【前菜】

主たる料理の前に少量出す、酒の肴(さかな)になるような料理。日本料理だけでなく、西洋料理や中華料理などのものもいう。

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世界大百科事典(旧版)内の前菜の言及

【オードブル】より

…西洋料理の前菜。原語は〈作品外〉という意味で,食欲をそそるため,主要な料理の前に出される軽い料理をいう。…

※「前菜」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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