パライバ州(読み)パライバ(英語表記)Paraíba

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パライバ州」の意味・わかりやすい解説

パライバ〔州〕
パライバ
Paraíba

ブラジル北東部の州。州都ジョアンペッソア。南アメリカの最東部に東西に細長く広がる州で,東は大西洋に面するが,海岸平野はなく,砂浜や砂丘が連なる狭い海岸地帯に沿岸台地が急崖をなして迫る。内陸部はブラジル高原の北東端部をなすボルボレマ高原の一部で,銅,スズなどの鉱物資源がある。南東貿易風の影響を受ける海岸地帯は年間約 1500mmの降雨をみるが,内陸部は雨がきわめて少く,カーティンガと呼ばれる落葉性の低木林におおわれた半砂漠状の乾燥地帯が広がる。ポルトガル植民地時代初期にはサトウキビ栽培で繁栄したが,18世紀に綿作が導入されて以降ワタが最も重要な作物となっている。ほかにサイザルアサ,タバコ,トウモロコシ,カカオなどが栽培され,牧畜も盛ん。 1960年代には工業化が始り,州都とカンピナグランデに工業地帯が設置され,衣料,農業機械,パルプ,プラスチック,石鹸,合成繊維,製靴などの工場が建設された。 70年代初めにペルナンブコ州からの電力供給により工場は電化され,すべての町に送電された。交通網は州中央部を横断する鉄道,道路を中心に比較的よく発達している。面積5万 3958km2人口 320万 620 (1991推計) 。

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