パリティ保存則(読み)パリティほぞんそく(その他表記)law of parity conservation

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パリティ保存則」の意味・わかりやすい解説

パリティ保存則
パリティほぞんそく
law of parity conservation

物理法則が左右対称であれば,量子力学系のパリティよい量子数であり,時間とともに不変であるという法則。しかし,β崩壊など弱い相互作用による現象では,この保存則が成り立たないという考え,すなわちパリティの非保存という考えが,李政道楊振寧によって 1956年に提出され,実験で確認された。この業績により,57年2人にノーベル物理学賞が授与された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

法則の辞典 「パリティ保存則」の解説

パリティ保存則【law of conservation of parity】

系の最初状態を記述する波動関数が偶のパリティをもっているならば,最終状態の波動関数も同じく偶のパリティをもっている.最初の波動関数が奇のパリティならば,最終状態も奇のパリティの波動関数となる.弱い相互作用においてはこれが成り立たないことも知られている.

出典 朝倉書店法則の辞典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android