パンテレーエフ(読み)ぱんてれーえふ(英語表記)Леонид Пантелеев/Leonid Panteleev

日本大百科全書(ニッポニカ) 「パンテレーエフ」の意味・わかりやすい解説

パンテレーエフ
ぱんてれーえふ
Леонид Пантелеев/Leonid Panteleev
(1908―1987)

ロシアの児童文学作家本名はアレクセイ・イワノビッチ・エレメーエフАлексей Иванович Еремеев/Aleksey Ivanovich Eremeev。ペテルブルグ軍人の家庭に生まれる。革命後、国内戦の混乱期に浮浪児となり、13歳のとき浮浪児収容施設「シキット」に入れられる。このときの体験を友人ベルィフГригорий Георгиевич Белых/Grigoriy Georgievich Belïh(1906―38)と共作した処女作『シキット共和国』(1927)は、ゴーリキーの絶賛を受けた。同じく施設での体験を描いた短編『金時計』(1928)も有名。ほかに長編自伝小説『リョーニカ・パンテレーエフ』(1939)、短編『公用封書』(1932)、姉妹の物語『ベーロチカとタマーロチカのおはなし』(1940)など。

[内田莉莎子・長谷見一雄]

『アレクセイ・パンテレーエフ著、北畑静子訳『児童文学作家の育児日記 うちのマーシャ』(1979・冨山房)』『アレクセイ・パンテレーエフ著、北畑静子・服部素子訳、中島保彦・絵『うそつきワロージャ』(1981・大日本図書)』『L・パンテレーエフ作、内田莉莎子訳、浜田洋子・絵『ベーロチカとタマーロチカのおはなし』(1996・福音館書店)』『L・パンテレーエフ著、佐野朝子訳『金時計』(岩波少年文庫)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パンテレーエフ」の意味・わかりやすい解説

パンテレーエフ
Panteleev

[生]1908.8.22. ペテルブルグ
ソ連の作家。本名 Aleksei Ivanovich Eremeev。軍人の家に生れ,内戦中に孤児となった。第1作『シキド共和国』 Respublika Shkid (1927) が M.ゴーリキーに絶賛され,文壇にデビュー。中編『金時計』 Chasy (28) でも新しい生活に目ざめていく浮浪児を描いた。内戦を描いた短編『小包』 Paket (32) は代表作で,『誓って』 Chestnoe slovo (41) などの児童文学の傑作も数多い。

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