ファーガソン(Adam Ferguson)(読み)ふぁーがそん(英語表記)Adam Ferguson

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ファーガソン(Adam Ferguson)
ふぁーがそん
Adam Ferguson
(1723―1816)

イギリスの歴史家、道徳哲学者。スコットランドパースシャー生まれ。従軍牧師を務めたのち、エジンバラ大学教授。リードヒューム、スチュアートDugald Stewart(1753―1828)、アダム・スミスらと親交があり、スコットランド学派に属す。代表作『市民社会史論』(1767)は、人間と社会の相互関係を重視する視点にたって、人間が野蛮な状態から政治的、社会的に洗練されてゆく過程を描いている。しかし、方法としては経験主義的であり、また、社会発展のダイナミズムへの視点を欠き、この点で18世紀歴史家の典型ともいえる。倫理学では、社会発展の要素として自由な精神による公平な競争を認める。著書はほかに『道徳学と政治学の原理』(1792)などがある。

[小池英光]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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