フィン=ウゴル語派(読み)フィン=ウゴルごは(英語表記)Finno-Ugric languages

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フィン=ウゴル語派」の意味・わかりやすい解説

フィン=ウゴル語派
フィン=ウゴルごは
Finno-Ugric languages

サモイェード語派とともにウラル語族を2分する一語派。フィン語派ウゴル語派に分れる。前者バルト=フィン諸語,サミ語,ボルガ=フィン諸語,ペルム諸語から,後者はオビ=ウゴル諸語とハンガリー語とから成る。東はノルウェーから西はシベリアのオビ川流域にかけて広く行われ,話し手は 2000万人をこえる。なおサモイェード語派の話し手が少く,またそれとの同系が確立したのが比較的新しいため,フィン=ウゴル語族という名称がウラル語族全体をさすのに用いられることもある。言語の特性としては,膠着語的であること,所有人称接尾辞があること,場所を示す格が豊富であることなど。母音調和子音階程交替 (例:フィンランド語 kukka「花」/kukan「花の,」における kk:kの交替) は必ずしもすべての言語にそろっているわけではない。語彙的には借用語に特色があり,近隣の非ウラル系民族との歴史的なさまざまな接触の過程を反映している。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android