フェニックス(アメリカ合衆国)(読み)ふぇにっくす(英語表記)Phoenix

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

フェニックス(アメリカ合衆国)
ふぇにっくす
Phoenix

アメリカ合衆国、アリゾナ州南部の都市で、同州の州都。人口132万1045(2000)。大都市圏人口325万1876(2000)。乾燥地域を流れるソルト川の河谷に位置し、1911年に完成したルーズベルト・ダムからの灌漑(かんがい)用水によって、周辺は綿花穀物、野菜、果物を産し、家畜も飼育される。また、第二次世界大戦後は電子関係を中心とする工業が発展し、データ処理、電子産業の重要な中心地でもある。そのほかにも航空機、金属加工、機械、食品、衣類などの工業が盛ん。第二次世界大戦中に三つの飛行場が建設され、それに伴い多数の軍人が駐留した。戦後、退役した軍人が同市にとどまり、その多量の労働力を求めて企業が進出したことにより、急速に成長した。

 フェニックス発展のもう一つの要因は、温暖で乾燥した気候が多数の観光客と避寒客を誘引し、また、全国的なコンベンション(大会)の地として有名になり、退職した人々の余生の地となったことである。1970~80年の人口増加率は31%、1980~2000年の増加率は72%と大きく、人口急増都市である。1868年にかつてのインディアン集落の地に白人が定住地を建設し、81年に町となった。91年鉄道が開通し、1912年に州都となった。隣接のテンプにアリゾナ州立大学がある。

[菅野峰明]

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