フェラシー遺跡(読み)フェラシーいせき(英語表記)Ferrassie

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フェラシー遺跡」の意味・わかりやすい解説

フェラシー遺跡
フェラシーいせき
Ferrassie

フランス,ドルドーニュ地方の旧石器時代の中心地レゼジーの西 5kmにある中期後期旧石器時代岩陰遺跡。A~Lの層が確認されている。A~Dは中期旧石器文化のムスティエ文化,Eはシャテルペロン文化 (下部) ,オーリニャック文化グラベット文化の中間的なもの,F~Hはオーリニャック文化,J~Lはグラベット文化の遺物が出土している。F~Lの各層によって,オーリニャック,グラベット両文化の細分がなされている。この遺跡によって,フランスの中期~後期旧石器時代前半の文化の変遷が跡づけられている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のフェラシー遺跡の言及

【オーリニャック文化】より

…フランス,ピレネー地方のオーリニャックAurignac遺跡を標準遺跡とする後期旧石器時代文化。この文化は寒冷期に出現し(第I期),やがて急激な気候温暖期をむかえる(第II期)。これはアルシー温暖期にあてられ,炭素14法によって3万0500年前ごろとされる。オーリニャック文化は,20世紀初頭,ムスティエ文化ソリュートレ文化の間に位置づけられ,その後H.ブルイユによって3期に区分された。さらにその前・中・後の各期はおのおのをシャテルペロン文化,オーリニャック文化,グラベット文化と呼ばれることになる。…

【ムスティエ文化】より

…生存に目的意識を集中する域を脱し,たとえば赤色顔料を塗って死体を埋葬する観念をもつに至った最古の証拠をこの文化は残している。スピー洞窟(ベルギー),シャペル・オー・サン洞窟,ムスティエ岩陰,キナ遺跡,フェラシー遺跡(以上フランス)などに人骨の出土をみる。【山中 一郎】。…

※「フェラシー遺跡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android