1,2-benzenedicarboxylic acid dibutyl ester.C16H22O4(278.34).略称DBP.無水フタル酸とブタノールとを酸の存在下に加熱してエステル化すると得られる.無色の油状液体.凝固点-35 ℃.沸点339 ℃,227~235 ℃(4.9 kPa).1.042.1.4926.粘度20.3 cP(20 ℃).蒸気圧146 Pa(150 ℃).有機溶媒に易溶,水に不溶.可塑剤として用いられる.塩化ビニル,そのほかのビニル系樹脂と相容性がよい.可塑剤としては安価であるが,揮発性が大きく,耐油性の点でもフタル酸ビス(2-エチルヘキシル)に劣る.[CAS 84-74-2]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
…このように可塑剤を添加することによって,高分子の特性は大きく改良され,かつ用途も大きく広がる。 ポリ塩化ビニルの可塑剤としてよく用いられるのは,フタル酸ジオクチルdioctyl phthalate(DOP),フタル酸ジブチルdibutyl phthalate(DBP)などのフタル酸エステル類である。可塑性のほか,難燃性や耐油性を改良するため,リン酸トリクレシルtricresyl phosphate(TCP)などのリン酸エステルも用いられる。…
※「フタル酸ジブチル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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