フラスコ燃焼法(読み)フラスコネンショウホウ

化学辞典 第2版 「フラスコ燃焼法」の解説

フラスコ燃焼法
フラスコネンショウホウ
flask combustion method

有機元素定量分析法の一つ.W. Schöniger(1954年)のハロゲン硫黄などの分析法として知られている簡易分解法である.フラスコ中に水,過酸化水素または水酸化ナトリウムなどの吸収液を所要量入れてフラスコ内を酸素で満たし,次にこのフラスコ中に沪紙に含まれた有機化合物を白金バスケットに入れて燃焼させる.燃焼は瞬間に終了し,燃焼によって生成したハロゲン,硫黄酸化物をよくまぜて吸収液に吸収させ,ハロゲンイオンおよび硫酸イオンとして種々の定量法で定量される.たとえば,ハロゲンイオンは水銀滴定法,電位差滴定法,ライペルト法,アリザリンコンプレクソン法(ALC),ジルコニウム(Ⅳ)-エリオクロムシアニンR(ECR)法など,硫酸イオンはトリン-メチレンブルー法,カルボキシアルセナゾ法,電導率法などの各種定量法が用いられている.フラスコの形,構造,材質,点火法などにも多くの改良が行われているが,もっとも基本的な燃焼フラスコを図に示す.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のフラスコ燃焼法の言及

【元素分析】より

…後の研究((OH)3C6H2COOHなる分子式)からリービヒの実験式と分析の正しさが証明された。
[ハロゲン・硫黄定量法]
 この元素に関しては多くの分析法が提案され使用されているが,シェーニガーW.Schönigerのフラスコ燃焼法が現在最も頻繁に利用されている。原理は酸素中で燃焼後,吸収液に吸収させたハロゲンイオンまたは硫酸イオンを滴定法などで定量する方法である。…

※「フラスコ燃焼法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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