ECR(読み)イーシーアール(その他表記)efficient consumer response

流通用語辞典 「ECR」の解説

ECR【efficient consumer response】

エフィシェント・コンシューマー・レスポンス。食料品のサプライチェーン内の余剰コスト削減する目的で、小売業、問屋、メーカーが提携し、緊密な共同作業を行う戦略。ECRでは効率化を高める4つの分野に絞っている。単位売場当たり面積のカテゴリー商品販売を高め、在庫回転率向上のため、取扱商品と売場分配を最適化する。商品が製造され、店舗の棚に配置されるまでの物流の最大効率化。商談や販売促進コストの削減。新商品の開発や投入に要するコストの削減。衣料品業界で成功したQRクイック・レスポンス)に学び、食品業界で1993年に発表し、取り組みが開始された。ECRが全面的に採用され、効果が発揮された場合、食品業界のサプライチェーン内で、1,300億ドルの流通在庫が削減され、在庫日数も100日から60日に短縮されるといわれている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ECR」の意味・わかりやすい解説

ECR
イーシーアール
Efficient Consumer Response

効率的な消費者対応を意味する言葉略称アメリカの食品業界で生れた考え方。ディスカウントストアをはじめとする低価格化の波に直面したメーカー,卸・小売商一体となってより効率的な合理化を行なって生残りをはかろうというもの。小売,卸の販売データをメーカーの計画生産に反映させる情報の共有化を基礎に,流通システムを効率化して生産から販売までの時間を短縮し,余剰在庫をなくすことを主目標とする。

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世界大百科事典(旧版)内のECRの言及

【キャッシュ・レジスター】より

…以来,多くの改良が加えられ,今日ではほとんどの商店で使用されるようになった。特に71年には,かつての歯車などを使用する機械的なものから,ICを演算素子としたECR(エレクトロニック・キャッシュ・レジスターelectronic cash register)が開発され,利用の範囲を急激に広げた。 キャッシュ・レジスターには,機械的構造のフルキー式と電子化されたテンキー式とがある。…

※「ECR」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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